日本ではフィンランド発の色鮮やかな雑貨や独特のデザインを持つ食器が人気を集めていますが、あまりファッションについては知られていません。
そこで今回はフィンランドのファッションの特徴と人気ブランドをストリートスナップと合わせて紹介します。
フィンランドのファッションの特徴
フィンランドはとても寒い国なので「重ね着が基本」、「実用性を重視する」、「スカートよりもパンツスタイル」などの特徴があります。
その他にも、いくつかファッションコーデの特徴があるので詳しく見ていきましょう!
寒いので重ね着が基本
フィンランドの冬は日本よりも長くて、気温が氷点下になることは当たり前なので寒さ対策は必須です。
そのため、温度調節しやすい重ね着が基本となります。
上着には温かいインナーに厚手のニットやセーターなどを着込み、下はパンツの下にもタイツやレギンスを履く人が多いです。
室内と屋外の気温差が大きいので、着脱しやすい服というのもポイント。
また、出掛ける際には定番のダウンジャケットやコートを着ますが、最近では雪にも対応出来るような撥水加工が施されたものが人気です。
コートの丈についても膝丈など長めでより防寒出来るものを選ぶ人が多いです。
実用性を重視する
フィンランドのファッションは、シンプルでカジュアルなデザインが中心。
ミニマルルックと呼ぶのにふさわしいと言えますが、この「ミニマル」というのは、「最小限度」という意味です。
フィンランドの文化には「シンプルな幸せ」というものが根底にあり、生活の中であまり贅沢をしなくても、内面の充実感や幸福感を大切にしているところがあります。
そのため、身に付ける物もシンプルでブランド品にはこだわらない印象を受けます。
ブランド品というよりも、長く身に着けられるものを選んだり、家族から受け継いだものを大切に使ったり、リメイクして使い続ける傾向があります。
もちろん、首都ヘルシンキの中心部には多くのブランド品を身に着けている人もいますが、フィンランドの中では少数派と言えるでしょう。
一般的には、ファッションアイテムや洋服のコーディネートも実用性や機能性が重視されたシンプルスタイルが多いです。
黒をベースにする人が多いですが、そこにポイントとして北欧デザインの鮮やかな色を取り入れるのが特徴でお洒落を楽しんでいます。
スカートよりもパンツスタイル
冬は寒さが厳しいためスカートよりもパンツスタイルが多くなりますが、中でも動きやすいデニムスタイルは人気があります。
真冬はパンツの下にタイツを履く、細身のパンツの裾を厚手の靴下に入れ込むなどの防寒対策をする人も多いです。
雪がたくさん積もると滑ることがあり危ないので、足元は安全第一でヒールのない、滑り止めが付いているブーツを履きます。
また、足首周りは雪などのぬかるみに備えて裾をロールアップする習慣があります。
そして、春が来て街から雪が消えると自転車に乗るアクティブな人も増えてきますが、気温は低いので冬と同じくパンツスタイルが好まれます。
だから、スカートを履いてお洒落できるのは短い夏の季節に限られます。
豊かな自然をモチーフにした柄物が多い
日本には昔から愛されてきた市松文様や青海波文様といった「和柄」があります。
一方、北欧にも伝統的な「北欧柄」というものがあります。
北欧柄は植物・動物・風景など、豊かな自然がモチーフにされているのが特徴です。
自然を身近に感じられて、優しい温かみが伝わってくるかのようです。
そんな魅力的な柄は様々なアイテムに取り入れられて日常に溶け込んでおり、日本でも北欧デザインとして人気を得ています。
テレビや雑誌などのメディアで北欧特集ってよく見かけますよね?
花・果物・野菜などの植物、シカ・キツネ・ヒツジなどの動物をモチーフにした多種多様な柄があり、見る人を明るい気持ちにしてくれます。
見る人をほっこりと和ませてくれるナチュラルな魅力が、ストレス社会で生きる日本人にピッタリなのかもしれません。
防寒具のマフラーやストールは必須
冬は寒さが厳しいため出掛ける時は、マフラー・ストール・手袋・ニット帽といった防寒具は必須アイテムです。
これらのアイテムは日本だとワンポイントでお洒落をするためにデザイン性が重視されますが、フィンランドの場合は機能性を重視したものがほとんど。
夏でも朝と夕の寒さに備えて、首元にはストールやスカーフを巻く習慣があるくらいです。
春夏用のものはカラフルで柄も入ったようなお洒落を意識したアイテムが増えます。
こうした防寒具は室内に入ったり屋外に出るたびに着け外しするため、落としたり忘れたりと無くしやすいです。
そのため、フィンランド人はニット帽に外したマフラーや手袋を入れてなくすのを防止しているので、物をなくしやすい人は参考にしてください。
短い夏の季節はお洒落を思いっきり楽しむ
フィンランドは長い冬をようやく乗り越えると短い春と夏を迎えます。
特に夏は約1ヶ月しかないので人々は開放的な気分になり、この時期を逃すものかとお洒落を思いっきり楽しみます。
普段は着ない鮮やかな色や大きな柄の服を選んだり、スカートやワンピースを着て歩く人が増えます。
足元もインスタ映えするような色のスニーカーやサンダルを履きます。
そして、お洒落な服装をしてショッピングしたりテラス席でカフェを楽しんだりします。
フィンランドらしく、湖畔や森林を散歩したり、バーべキューやピクニックを楽しんだりする人も多いです。
フィンランド発の人気ファッションブランド
次はフィンランド生まれの人気ファッションブランドを紹介します。
日本ではあまり知られていないブランドが多いので、いち早くチェックしましょう!
Vimma(ヴィンマ)
ヴィンマはフィンランド人と日本人デザイナーが服のパターン作成をしています。
今までに見たことがないような個性的な柄物が目を引き、強いファーストインプレッションがあります。
また、カラフルな色使いと計算し尽されたデザインは、都会的な印象を与えます。
その一方、ニットにはオーガニックコットンを使用しているため着心地が良く、エコロジカルなブランドでもあります。
男女兼用で着られるユニセックスアイテムが豊富なので、カップルやファミリーで買い物を楽しめるのが人気の要因でもあります。
ユニセックスのキャップやシャツを身に着ければ、お洒落の新たな可能性に気付けそうです。
Marimekko(マリメッコ)
マリメッコはフィンランドを代表するファッションブランドで、日本でもよく知られているのではないでしょうか。
今や北欧ブランドの定番と言えます。
色鮮やかな大きめの花柄はこのブランドの象徴的な柄となっており、見ているだけで気持ちを明るくさせてくれます。
服だけでなく、バッグ、アクセサリー、お皿、カーテンや布団カバーといった布製品まであり、商品展開は多岐にわたります。
ライフスタイル全般に取り入れてみたくなる、シンプルな可愛さが人気です。
花柄がプリントされたワンピースはゆったりとしたシルエットのものが多く、普段使いにもぴったり。
また、ベーシックなファッションにこのブランドのバッグを合わせれば、ワンポイントとしてお洒落上級者のスタイルにしてくれます。
halo(ハロ)
haloは2017年に創立した新進気鋭のブランド。
フィンランド北部のラップランドの自然から得たインスピレーションを、オリジナルプリントやカラーパレットに反映しているのが特徴。
単純なグラデーションではない独特な色使いや、初めて見るような繊細な柄は見る人を惹きつけてやみません。
シンプルなベーシックアイテムでも特別感を感じさせますし、プリーツを用いた華やかなデザインや、ジャガードなどの素材の質感を生かしたアイテムが豊富です。
大人の女性を引き出してくれる多彩なアイテムが揃います。
普段使いからドレスまでどれも丁寧に作られており、ワンランク上のファッションを楽しみたい世界中の人に親しまれています。
JUSLIN-MAUNULA(ジャスリン マウヌラ)
2015年に創立した比較的新しいファッションブランドです。
建物やインテリアからインスピレーションを得た素材や色使いが特徴。
メタリックな素材を用いたオーバーサイズのジャケットや、ドレープをたくさん取ったスカート、女性らしさが際立つウエストが強調されたデザインのワンピースなど、ここにしかないアイテムが数多くあり、ファッション愛好家から注目されています。
空間デザインと調和するファッションを目指しており、流行の最先端を感じさせる、個性的なアイテムが揃います。
アクセサリーも展開しており洋服と合わせて身に着けたい、オリジナリティーあふれるアイテムが人気。
samuji(サムイ)
サムイは首都ヘルシンキが拠点です。
マリメッコの元クリエイティブディレクターが2009年に創立したブランドですが、マリメッコとのコラボアイテムも発表しています。
シンプルな中にも可愛さを忘れないデザインは、若い世代を中心に新たなファンを獲得しつつあります。
フェミニンでナチュラルな雰囲気が漂う定番スタイルと、大胆な色使いを見せるボヘミアンスタイルの2つのラインがあり、その日の気分に合わせてなりたい自分になる事を叶えてくれます。
すべてのアイテムはシンプルで機能性が高く、また素材はヨーロッパや日本から調達したクオリティの高いものを厳選するなど品質へのこだわりが感じられます。
FINLAYSON(フィンレイソン)
FINLAYSON(フィンレイソン)は1820年に創立した歴史のあるブランドで、長年フィンランドの人々から愛されてきました。
このブランドは、日本でも様々なブランドとコラボレーションしており、いずれも人気を博しています。
植物や動物など自然からモチーフを得た、まさしく北欧らしい柄が特徴的です。
バッグ、お皿、クッションカバーや布団カバーなどの布製品、ポーチなどの雑貨は、北欧柄が色彩豊かにプリントされています。
これらのアイテムは一つ一つ温かみがあり、日常に溶け込んでくれます。
これからも変わらず皆に愛され、後世に受け継がれていくブランドであると言えるでしょう。
まとめ
フィンランドは夏が短くて寒さが厳しい気候のため、機能性や防寒性を重視したファッションが主流ですが、自然をモチーフにしたデザインを取り入れるなどしてお洒落を楽しんでいます。
日本人にとっては参考にしにくいですが、ワンポイントでフィンランドブランドを身に付けるとファッショナブルに着飾ることができるので、試してみてはどうでしょうか?
特にマリメッコは日本でも店舗展開しているため気軽に購入できます。
Amazonでも数多くの商品を販売しているので、興味のある方は今すぐチェックしましょう!